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「ほら、行くぞ」
海たちがさっさと行ってしまう千堂について部屋を出ていくと、目の前には一風変わった町並みが広がった。
「異世界って言ってもあんまりこっちの世界と違いは無いんだな」
「まあ、我々の世界とそれほど離れた世界でも無いからな。
もっと離れた世界だと全然違ったりするが、この世界では魔法が一般的に使われ、我々の世界での電力の代わりに魔力が使われている以外にそれといって違いは無い」
道すがら千堂に説明してもらい海たちが周りを見渡せば、確かに電柱や電線等が見当たらなかった。
「じゃあ電線とかが無くて、どうやって一般家庭は魔力を得ているのかしら?」
「マジックボトルと言ってな、こちらの世界の電池の強力版が普通に売られているらしい。
それを購入して取り付けることでどこも成り立ってるそうだ」
そんな事を話して歩いていると、海たちの前に周りの建物より一際目立つ巨大な建造物が見えてきた。
「見ろ、あれがワールドガーディアンズクルーラシティ支部だ」
「クルーラシティ?」
「ああ、この町の名前でな。別に忘れても構わん」
シャッと自動ドアが開き千堂を先頭に中に入ると、「ようこそ」と受付嬢に挨拶をされた。
「獅童 飛燕部隊長に会いたいのだが」
「獅童 飛燕様ですね」
カタカタカタと受付嬢がパソコンを操作すると、すぐに返事が返ってきた。
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