ボクのちキミ。

3/8
前へ
/8ページ
次へ
皆で迎えた白んでいく朝。 胸の中の思いと朝の空気が混ざっていく。 駅へと向かう重い足取り。開かなければいいと思った改札。 ホームで一人…また一人と離れていく。 『もう会わないだろう』なんて冗談が胸を軋ませる。 気付けばいつもの風景が朝陽に包まれ川の水面が光る。 感慨に耽るうちに着いた僕の駅。 一人で降りた駅には僕だけのような虚無感や孤独感。周りに歩く人達にはきっと僕は見えてなくて… 自分でも気付かないうちに目から水滴が一筋落ちていた。 涙に気付いたら 塞き止めていたものが崩壊したように全てを噴き出す。 離れたくなんかなかった。 どれだけこの口が悪く言っても 皆とは 離れたくなんかなかったんだ。 皆が離れていくその瞬間が 僕の胸を突き刺してた。 皆がいない現実が 僕の胸をただひたすらえぐってた。 それはまるで鍵のようにギザギザで 僕の胸には不恰好な傷がつく。 嗚咽にも似た声をあげて その胸は鼓動を繰り返してた。 こんな僕だけど そう今 皆となら 『またな』で繋がる気がする。 それはまるでテレパシー。 耳を澄ませば 切なく優しい響きが僕の胸を染みていく。 その時は僕も 『またな』が繋ぐ未来を 見てるのかな。image=236371136.jpg
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加