よろしくお願いします!

7/19
前へ
/22ページ
次へ
カリンはマーベルの指差した方のドアに向かった。   船内は至って綺麗だった。(取り敢えずエントランスだけは、だが) その広い廊下を進み、右手にあるドアの前で立ち止まる。 するとドアが自動的に開く。   中は応接室のようだった。 立派なソファーが4脚、真ん中に置かれた机を取り囲むように置かれている。     (座ってるのも悪い、よね?)     そんな事を思い、カリンは壁にある窓に歩み寄った。 その窓からは真っ暗な闇だけが見える。いや、よく目を凝らすと小さな光が無数に見える。 地球からでは薄汚い空気の壁に阻まれ、こんなにも綺麗に星を見ることができない。   SSの実習で何度も宇宙には出ていたが、今はそれとは訳が違う。   自分の夢を叶える為にここにいるのだ。     (キレイ……)     彼女はぽけーっと窓の外を見続けた。     「宇宙は、お好きかね?」   ビクッ!   カリンは驚いて持っていたカバンを落とした。 その拍子に中の物がゴタゴタと流れ出た。   「あ、す、スミマセン!」   彼女は慌てて持ち物を広い集める。   「いやいや、私の方こそ急に驚かして済まなかったね」   落ち着いた声の男性はカリンの側まで来ると、一緒になって持ち物を拾った。   最後の書類を手にすると彼とカリンは立ち上がる。   「あ、ありがとうございます」   彼に向かって一礼する。   「いや、なんてことないさ」   彼はにこりと微笑む。   男性の頭には2本の雄々しい真っ直ぐな角が生えている。 カウかバッファローヒューマだろう。 全身は茶色の体毛で覆われている。   恐らくこの男性がギャラクティカの社長なのだろう。   「まぁ、座ってくれ。カリン君」   そう言いながら席に座り、右手で自分の正面にあるソファーを手で仰ぐ。   カリンは言われた通りに指示されたソファーに腰かける。     「履歴書を見せてもらったよ」   カリンが座るのを待ち、そう切り出す。   「君の話しもカワムラから聞いた」   「あ、はい!」     「………」     「……?」     しばらく見つめ合う。         「うん。採用だ」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加