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「……痛っ! んだガキ!何しやがる!!」
彼は急いで起き上がると自分の頬をさする。
そこには見事に赤い手形が残っている。
「な、な、何しやがるって! こっちのセリフよ!な、何なのよ急にぶつかってきて人のむ、む、む……」
彼女は先程の事を思い出していた。
(胸を触られた…。いや、むしろ揉まれた!?今まで誰にも触られたことないのに…。初めてをこの、この……)
彼女は顔を真っ赤にし、パニック状態になっていた。
「あん!? 胸に触っちまっただけだろ…。んな事でいちいち騒いでんじゃ…」
「そ、そんな事!? あ、あんたねぇ!」
彼女が立ち上がり、男に問い詰めようとした時だった。
彼女は男の後ろに立つ人物に気付いた。
その人物は女性だった。
とてもスタイルが良く、身長も170cmは優に越えているだろう。
ヒョウ柄の耳と尻尾が見える。
パンサーハーフだろうか。
その女性は笑顔で男を見下ろしていた。
「ハル~?どうしてそんなに慌てて走るのかしらねぇ?」
その声には何か怒りを感じた。
その女性にはかなりの迫力がある。
(あ、この声…)
聞き覚えのある声だった。
そう、先程ドッグヒューマのパイロットと話しをしていた女性の声だった。
「いや、な。マーベル。あの写真は違うんだ。話せば解る」
ハルと呼ばれた男は必死に何かを訴えようとしている。
しかしその言葉とは裏腹に、逃げる隙はないかと視線を左右に走らせながら好機を伺っている。
「そぉ~。それじゃあ、ゆっくり話し合いましょう、ねっ!!」
彼女が言い終わる前に彼が彼女の脇を走り抜けようとした。
が、彼女の方が一歩早かった。
彼女の強烈な右脚での蹴りが炸裂する。
ズバッ!
「ぐほぉ!」
蹴りは見事に男のみぞおちに入った。
素晴らしい蹴りだった。
男はその場にぐったりと倒れ込む。
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