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「ご先祖様になんと無礼なことを!!」
言葉が気に触ったのか爺さんは再び竹刀を振りかざす。
その時、
「珀華。あなた、お社のお供え行ってきたの?」
今まさに竹刀が直撃しようとした瞬間に部屋の外から響く母の声。
先ほどの話の通り矢代家は妖怪退治、つまり陰陽師の末裔であるため、山のお社の鬼が復活しないように社の管理を任されている。
いつもなら山の中の社まで行くのは面倒くさいことだが、今は別である。
「あっ忘れてた。んじゃ爺さん!!行ってくるよ。」
「なっ…まだ話が!!」
俺はそんな言葉に耳を傾けず、隙を見てすぐさま立ち上がり、こんな座禅はごめんとばかりに家を飛び出した。
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