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「ふぅ・・・ご飯の用意しなきゃ」
一通りチェックを終えた私は、パソコンから離れキッチンへ向かった。
今日のメニューは、よく作るオムライス。
これは、昔好きだった人にねだられて作れるようになったものだ。
今では食べさせる相手もいないが、たまぁに食べたくなって作ってしまう。
トントントントン・・・
気持ちよく響く包丁の音。
そのとき突然、静かだった部屋の中にケータイの着信音が響いた。
最近の流行の曲に急かされながら、私はそばにかけてあるタオルで手を拭いてケータイの元へと急いだ。
「どうせまた迷惑メールでしょ・・・」
誰に言うとでもなくつぶやきながら、ケータイを開きメールの内容を確認した。
『りっくさんからメールが届いています』
さっきまで見ていたSNSの管理会社からのメール。
利用者同士が交流を図るのに使われるメールのお知らせだった。
しかし、相手の名前を見てもピンとこない。
「見るだけならいぃよね…」
見に覚えのないメールに私は少しだけ警戒していた。
この時の私はこのメールが、この先の自分の運命を変えるとは夢にも思わずにいた。
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