華やかな舞台

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右京は、手を後ろに回し歩きながら話しを続けた。 右京「電話の犯人の声はどこか、くもっていたんです。」 亀山「でも、それは、電話だからとか、犯人が、マスクをしていたとか、そういう理由じゃないんですか?」 右京「確かに。僕も最初はそう思いました。しかし、人間が、観察もせずに人の声や話し方を真似するには無理があります。だから、もしかしたら僕がいつも持っている物に盗聴器を仕掛けたのではないか!と、考えたんです。すると、案の定、携帯電話から盗聴器が出てきました。さて、あまり話をしている時間は無いので、そろそろ車に戻りましょうか。まだ盗聴器は壊していないので、この事は、話題に出さないように。」 亀山「え?まだ壊してないんすか!?」 右京「当たり前です!もし壊してしまったら、犯人が危機を感じ、次の行動に移る可能性があります。だから、まだ壊していないんです」 亀山「なるほど。」 亀山と右京は車に戻った。 右京「おやおや。たかが飲み物を買うだけに時間を使い過ぎましたねぇ。亀山君、もう少し判断力を養って下さい。」 いきなり話しかけられた亀山は、一瞬戸惑ったが、すぐに、盗聴器のためだと気づき、右京に話しを合わせた。 亀山「すみません!俺、結構優柔不断なんで~。ハハッ」 右京「では、急ぎましょうか。できる限り、飛ばして下さい。」 亀山「はい!」 亀山はコンビニの駐車場から出て思いっきりアクセルを踏み、右京は車の屋根に、ランプを乗せ、サイレンを鳴らした。
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