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亀山は車を猛スピードで飛ばした。すると、右京の携帯が鳴った。
ピリリリリ ピリリリリ ピッ
右京「もしもし。」
?「テレビ局に着いたら、1階のトイレの掃除用具入れを見て下さい。そこに次のヒントがあります。以上。」
プッ プープープー
右京「おや、切れてしまいましたねぇ。まぁ、良いでしょう。次のヒントの場所も判りましたし。亀山君、裏口から入って下さい。」
亀山「え?なんで表からだといけないんですか?」
右京が意味ありげに笑った。
右京「裏口の方がいろいろと都合が良いのですよ。」
亀山「はぁ…。じゃあ、裏口から入りますよ。ところで、さっきの電話の内容、なんだったんですか?犯人からですよね。」
右京「ええ。犯人が、次のヒントの場所を教えてきました。1階のトイレの掃除用具入れだそうですよ。」
亀山「それにしても、トイレの掃除用具入れって…なんか、いかにも刑事ドラマに出てきそうな場所ですね。」
右京「そうですねぇ。…。」
右京は何かを考えているようだ。
車内は、驚く程の静寂に包まれたまま、テレビ局に着いた。
ゴソゴソ
右京がさっきの盗聴器を出し、スーツのポケットから、ボイスレコーダーを出した。
亀山はキョトンとしながら見ている。
ピッ
少しだけ車のウィンドウガラスを開けて、盗聴器を車内に残して、右京は車を出た。亀山にも出るように指示をした。
亀山が車を出ると、右京はウィンドウガラスの隙間から車内にボイスレコーダーを再生して投げ入れた。
そして、そのまま歩いてテレビ局内に入っていく右京。亀山も慌てて後を追う。
亀山「やりますねぇ!右京さん!」
右京「はい?」
亀山「さっきのですよ!あれって、こっちの話を聴かれないように、ボイスレコーダーの右京さんの声を聞かせて、犯人を困惑させる為ですよね。」
右京「ええ。向こうが、録音したもので話をするのならば、こちらも同じ手を使えばいいのです!」
亀山「でも、もし、犯人が電話を掛けてきたり、この局内でばったり会ったりしたらどうするんですか?」
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