華やかな舞台

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右京「大丈夫です。確かに犯人は、このテレビ局内にいますが、出くわすことは、絶対にありません。そして、電話が掛かってくるという事もありません。」 右京は自信満々でそう言い切った。 亀山「犯人、判ってるんですか!?だったら、さっさと逮捕しに行きましょうよ!」 右京「それは、出来ません。」 亀山「何でなんすか~!!犯人が判ってるんなら捕まえた方が暗号解くより早いじゃないんですか!」 右京「犯人が判ってると言っても、これは、僕の推測でしかありませんし、証拠だって十分ではありませんからねぇ。」 亀山「それじゃあ、犯人は誰なんですか?それだけは教えて下さいよ!」 右京「まだ、犯人の名前は判りませんが、職業なら、おおよその見当はついています。」 亀山「じゃあ、このテレビ局の人の名前が書いてある名簿を借りてきて、犯人を見つければいいんじゃないんですか?」 右京「亀山君。」 亀山「はい!」 右京「何事にも、順序というものがあります。ここはまず、犯人の言うとうりに、暗号を確実に解いて行きましょう。それと、まだ、判らない事が数カ所ありますからねぇ。」 亀山「あっ!!トイレの場所どこなんですかね?」 右京「入った時に、地図がありましたよ。見てなかったんですか?」 亀山「はい。つい、盗聴器の方に気が取られてしまって…すみません。」 右京「まったく。君という人は。…トイレの場所は1階だけで3ヶ所。一つ目は入り口を入って、直ぐ右。二つ目は、第一会議室の左側。三つ目は第一スタジオの右。」 亀山「じゃあ、片っ端から調べますか!」 右京「その必要はありませんよ。」 亀山「え?何でですか?」 右京は少し微笑んだ。 すると、その横を四十歳位のプロデューサーらしき男性が通った。
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