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すると、右京はそのプロデューサーらしき男性に話かけた。
右京「ちょっと、よろしいでしょうか。」
P「はい。なんですか?」
右京「トイレの場所がわからないのですが…。」
P「あぁ、トイレなら、第一スタジオの横にありますよ。」
右京「そうですか。ありがとうございました。」
右京は丁寧にお辞儀をした。
亀山「何聞いてんすか!?トイレの場所なら、さっき右京さん自分で言ってたじゃないですか。」
右京「妙だとは、思いませんか?」
亀山「え?」
右京「亀山君。僕達は今どこにいますか?」
亀山「受付の前ですけど、…それがどうかしたんですか?」
右京「君なら、『トイレの場所はどこか?』と聞かれたら、遠い場所を教えますか?それとも、近い場所を教えますか?」
亀山「そりゃあ、勿論、近い場所を教えますよ!」
右京「そうですねぇ。普通は君のように、近い場所を教えます。ここからなら、一番近いトイレは、入り口を入って右側の、あのトイレです。先ほどの方が言われたトイレはここから一番遠い所にあります。」
亀山「じゃあ、さっきのアイツが犯人ですか!!俺、捕まえてきます!」
亀山はそう言うと走り出そうとした。
右京「待ちなさい!亀山君!」
珍しく、右京が声を荒げた。
亀山「犯人、逃げちゃいますよ!」
右京が近寄ってきて、小声で話してきた。
右京「君には、まだ話ていませんでしたが、この事件は、見た目以上に簡単な物ではありません。もしかしたら、かなり、大事になる可能性もあります。ですから、勝手な行動は、謹んで下さい!」
亀山「何ですか?その大事って。」
右京「さっきの、あのプロデューサーの左手の腕時計を君は見ましたか?」
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