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亀山「右京さん!!しっかりしてください!!」
亀山は必死に右京に向かって叫んだ。
すると右京は
右京「亀山君。離して下さい。そんなにくっつかれると起き上がれません。」
右京はそういうと普通に起き上がり、スーツに付いたホコリを払った。
伊丹「え!?…大丈夫ですか?警部殿。」
右京「ええ。僕の体には何の異常もありません。」
亀山「でも、今もの凄く痛がってたじゃないっスか!」
右京「あれは演技です。」
亀山「何でそんな事を?」
右京「それは、…亀山君。君が一番分かっていると思いますが。」
亀山「どういう事っスか?」
右京「見事に騙されてしまいましたよ。亀山君。」
亀山「…何の事っスか?」
右京「おやおや、自分でやった事も分からないのですか?」
伊丹「警部殿!何を言っているんですか!?亀山は何もしていませんよ!」
右京「ええ。知っていますよ?亀山君は何もしていません。」
伊丹「え?…何を言っているんですか?」
右京「なぜなら、ここにいる亀山君は、亀山君ではありません。」
そういうと、右京は亀山に近づき
右京「あなたは亀山薫ではなく、数々の有名人のメイクを担当してきた、須藤聖光さんですね?。」
その場にいた人全員が唖然とした。
亀山?「何を言ってるんスか!?右京さん!!疑うのもいい加減にして下さいよ!」
すると右京は
右京「僕が先ほどお腹を押さえて倒れた時、あなたこう言いましたよねぇ。…『右京さんはこの間病院で診察を受け、腹部に異常が見つかったんだ。』と。」
亀山?「右京さん言ってたじゃないっスか!車の中で。『その治療の為に近々休暇をとるつもりです。』って。」
右京「それは、ボイスレコーダーに録音した声です。だから亀山君がその事を知っているはずがありません。」
伊丹がいきなり口を挟んできた。
伊丹「警部殿。もし、この亀山が偽物なら、本物はどこにいるんですか?」
右京「おそらくどこかに監禁されているでしょうね。」
亀山?「だから、俺はここにいるじゃないっスか!」
右京「いい加減にしなさい!!まだ分からないのですか!!あなたが起こした、こんなつまらない事件のせいで三人の尊い命が失われたんですよ!!」
右京の怒りに満ち溢れた声がまだ煙臭い楽屋に響いた。
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