89人が本棚に入れています
本棚に追加
宮本政信は、二人が立ち去るのを黙って見つめていた。
今日も失敗に終わった。
何を断る理由があるのだろうか?
きっと、照れているだけなのだ。
友達もいた手前、断るしかなかった。
そうに決まってる。
あの女……。
名前は忘れたが、いつも、恭子と一瞬にいる女。
あいつがいなければ、こんな面倒な事には、ならなかった。
だが、まてよ……。
あいつから誘ってみるか……。
政信は腕を組んだ。
駄目だな……。
あの女は正直タイプではない。
生理的に無理だった。
手懐けるのは簡単だ。
だが、手懐けたところで何になる?
ああゆうタイプはしつこい。
後々面倒な事になるのも嫌だった。
それに、あの女の力を借りなくても、恭子は、自分の所にくる。
分かりきってる事だ。
私を奪って。貴方が好き。
恭子は、そう思っている。
目を見れば分かる。
自分の物になるのも時間の問題だ。
それに、恭子の住所も知っている。
いざとなったら、訪ねればいいだけだ。
旦那がいるみたいだが、いない時にいけばいい。
政信は笑うと校内向けて歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!