見慣れない箱

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宮本政信は、二人が立ち去るのを黙って見つめていた。 今日も失敗に終わった。 何を断る理由があるのだろうか? きっと、照れているだけなのだ。 友達もいた手前、断るしかなかった。 そうに決まってる。 あの女……。 名前は忘れたが、いつも、恭子と一瞬にいる女。 あいつがいなければ、こんな面倒な事には、ならなかった。 だが、まてよ……。 あいつから誘ってみるか……。 政信は腕を組んだ。 駄目だな……。 あの女は正直タイプではない。 生理的に無理だった。 手懐けるのは簡単だ。 だが、手懐けたところで何になる? ああゆうタイプはしつこい。 後々面倒な事になるのも嫌だった。 それに、あの女の力を借りなくても、恭子は、自分の所にくる。 分かりきってる事だ。 私を奪って。貴方が好き。 恭子は、そう思っている。 目を見れば分かる。 自分の物になるのも時間の問題だ。 それに、恭子の住所も知っている。 いざとなったら、訪ねればいいだけだ。 旦那がいるみたいだが、いない時にいけばいい。 政信は笑うと校内向けて歩き出した。
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