太陽の章

10/12
前へ
/121ページ
次へ
ママの話が終わると、トモキくんがすっと立ち上がった。 「お母さん」 トモキくんは真剣な目でママを見つめた。 「お母さんが一生懸命照らし続けてくれた娘さんだからこそ、俺は美咲に惹かれたんですよ」 「ありがとう」 ママは恥ずかしそうに笑った。 あたしは 言葉が詰まって 出てこなかった。 ただ真っ直ぐママを見つめて 心の中で呟いた。 ねえママ ママはあたしのお日様だよ。 いつも愛を注いでくれた。 あたしは愛されて育ったんだね。 ママはだだっ子でワガママだし あたしはひねくれ者だから ずいぶん誤解して遠回りしたけど それでもまた真っ直ぐに向き合えるよ、きっと。 姉妹みたいに遊んでいた幼い頃のように。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加