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その日あたし達の会話にトモキくんの話題が上ることはなかった。
あたし達は芸能人のくだらない噂で笑って、新作のファッションブランドについて盛り上がり、数学の問題について悩んだ。
それはいつものあたし達の会話とほとんど変わりなかったのだけど、トモキくんの話題だけがすっぽりと抜け落ちていた。
それでもときどきメイの視線がトモキくんに向けられているのを感じて、あたしはつらかった。
別にトモキくんからのメールに深い意味なんてないんだよ。きっとトモキくんのプリントにアドレスを書いたのがあたしだったから、あたしのほうにメールが着ただけのこと。それも挨拶みたいな当たり障りのないメール。
メイにそう説明したかったけれど、できなかった。メイがトモキくんのことなんて忘れたかのように振る舞っていたから。強がりの壁を崩してしまえばメイのプライドも崩してしまいそうで怖かった。
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