愛というもの

風の章

あたしは恋愛なんか、信じない。

だって、そんなもの全部幻だから。

汚らわしい性欲を、愛だ恋だと勘違いして。
盛り上がるだけ盛り上がって。

あとは火が消えて灰になるだけ。

灰の後始末は誰がするの？

別に、メイの恋を応援するって言ったのが嘘なわけじゃない。

メイは大切なあたしの親友。
だから、メイが恋をして幸せな気分になれるというのなら、応援したいと思う。

だけど、いくら応援していると言っても、心の中にわき上がる冷ややかな感情をおさえきれているわけじゃない。

メイは、恋愛の綺麗な部分しか見ていないと思う。

燃え上がる炎は汚いものを隠すけど、あとにはちゃんと黒くて汚いススが残るのに。