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１
1853年11月9日、マシュー・ペリーが黒船４隻を率いれて、幕府に開港を求めた。未知なる強大な武力に押された幕府は、長年の鎖国を解禁し開港させた。
そして、この歴史的事実とともに時代は、「幕末」へと動き始めた。
文久２年(1861年)、江戸のどこかの剣術道場「試衛館」。この道場の流派天然理心流は、近藤内蔵之助を開祖とし、２代目の三助とともに今の剣術にしたと言われている。
２年前、３代目の近藤周助は養子にした宮崎勝五郎に、代を譲り隠居した。
「近藤先生、何をそわそわしてるんですか」
この時、勝五郎は周助より近藤の名を継ぎ、近藤勇という名に変えていた。
「そわそわなどしとらん」
天然理心流の門下の少年沖田総司は、近藤をからかうように聞いた。１年前に20歳で、天然理心流の塾頭になった若き天才である。
このとき、近藤の妻つねのお腹には、新しい命が宿っていた。
「先生！」
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