風、吹きて

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      3         影を抜け、沖田の前に出る。 「永倉と原田、知らないか?」 「たぶん、酒を飲んでるんだと思います」 「まったく、あいつらは」 呆れたように、「しょうがないなあ」と後頭部を掻いた。 「近藤さんはまだか」 「はい。というより、先生は関係ないですよ」 「あっ、いや……、確かにそうだが」 土方は沖田の指摘に気付き、赤くなった顔を手で隠した。 外からは、稽古に励む者たちの声が聞こえた。
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