Chapter1 君の名前

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 魔法学園の中は、一言でいうと壮大だ。門をくぐると、右側には校庭があり、左側には校舎がある。そして、門から真っ直ぐ行くと闘技場がある。 「うわー、中に入るともっと大きく感じますねー」 「そうだね」  アルゼ達はまず校庭に向かった。そこには部活動をしていたり、また生徒達が何人かのグループを作って魔法の練習をしていた。 「あの、どうしてあの人はあんなに必死に魔法を練習してるんですか?」  ユフィが指差す先には、顔を汗だくにして、ひたすら必死に魔法を練っている男子生徒の姿があった。  アルゼは彼に見覚えがあった。記憶の片隅に埋もれている名前を思い出そうとする。  だが、思い出せない。  一人考え込んでいると、近くで誰かの足音が聞こえた。  おそらく、友人の誰かで、自分を見つけて声を掛けに来たのだろう。そう考え、ユフィにどうしようかと話しかけようとした瞬間、気づいた。  ユフィが……いない。 「どこだ、ユフィ!」 「あ、こっちです! こっち!」  ユフィの声がした方向を見ると、そこには先程の男子生徒と彼女がいた。  不機嫌そうな顔で、アルゼを睨み付けている。  アルゼは今ごろになって思い出した名前を頭の中で反芻しながら、男子生徒に駆け寄った。
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