Chapter1 君の名前

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 朝日が窓ガラスを通して、少年の顔を照らした。ベッドで毛布を口許まで引っ張っているその姿から、寒いということが解る。  少年は眩しさを感じたのか、少しずつ眼を開ける。口は歪み、ため息を一つ。  また来た朝にうんざりしながら、少年は身体を起こした。毛布を蹴飛ばし、ベッドから降りる。  寒気が一気に襲い掛かってくる。少年は寒さに震えながら、寝室を出て、リビングに行くことにした。  寝室とリビングは壁一つの距離らしく、中央にテーブルがあり、その奥にはキッチンがあるリビングにすぐに着いた。  少年はまず、キッチンに置いてある食パンを取りだし、皿に載せ、テーブルに置く。さらに、魔法動力で動いてる冷蔵庫から、牛乳を持ち出してコップに注ぐ。  それもテーブルに置いて、少年は椅子に座る。  いただきますと言い、食パンにありつく。貪るように食べ、乾いた食パンは牛乳を飲むことによって喉に通す。 「ハァ……今日も一日が始まるのか」  食パンを食べ終わり、皿をキッチンに置いて水で浸す。  少年は顔を洗うために、洗面台に向かった。
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