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プロローグ
次の日まで生きていられるか不安だった。
だけど、目が覚めれば自分は生きている。
心にのしかかった負担は思ってたより大きいと、いまさら気づいた。
それが、罪を犯した罰なのだろうとは思う。
夜が怖くて明かりも消せずに、一晩中泣いていた事もある。
肩を抱いて、慰めてくれる人はいなかった。
心にはいつも冷たい風が吹いていた。
震えても怖がっても、誰もいない。
思い出すのは顔も思い出せないあのヒト。
思い出すのは冷たい瞳を向けたあのヒト。
どうしたらこの罪は許されるのか。
どうしたら許して貰えるのか。
考え抜いた結果、1つの答えにたどり着いた。
開けよう……。
『死の扉』を――。
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