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理由はできた。
世界中に散らばった魔獣を潰す一方で、人間の世界を思う存分楽しんでやればいい。そう、思っていたのだが。
『それはダメだ。可愛いオレの子犬達を傷つける事は、このオレが許さない』
誤算があった。
俺は間違った選択をしてしまったのだ。
悪魔に力を借りるなど、悪魔は所詮悪魔でしかない。人間の生み出した“悪魔”という名が浸透した通り、どうしようも無い邪悪な存在だった。
人間を思う以上に、自分の生み出した獣を思いやる。
そして俺も、死んでいくと解っているにもかかわらず、魔獣を放置するに至った。
未知の世界へ足を踏み入れた時のあの感覚は忘れられない。
何よりも出会ってしまったのだ。
俺の運命の相手、といえば少し恥ずかしい気もするが、生きていく上で、この先永遠の愛を誓える女に。
一目見た時から惚れてしまった。
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