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人間界――未知なる世界に足を踏み入れ周りを確かめれば、どうやらそこは、あまり使用されてなさそうな狭い部屋だった。
室内の篭った臭気は鼻を摘みたくなりそうで、しかしそれが新鮮にも思えた。
部屋の外に出れば右か左の通路に分かれる。
俺より少しだけ人間界に詳しくなっていた悪魔の後に続き、歩いて行くと……。
たどり着いた場所は、ある大きな扉の前。
その扉の醸し出す雰囲気はどことなく知っていたため、扉の先にあるものが何であるか、なんとなく予測がついた。
もちろんこの俺に躊躇う気持ちも畏縮する思いもありはしない。好奇心という名の興奮を抑えるのには苦労したと思うが。
扉の前には堅苦しい恰好をした2人の男がいたが、そこはさすが悪魔。
非合法な行動で相手を気絶させ、中へと進入を試みる。
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