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確かに俺は黒の瞳をしている。別の世界から手にいれたカラーコンタクトレンズという物だ。
だが、今はそんな事問題では無い。
『私は悪魔の子孫なの』
メルシアはそう言った。
悪魔の子孫――?
悪魔は確かに存在する。あの阿呆悪魔の方では無く、“本物の悪魔”だ。
つまり、俺達よりもずっと以前に、悪魔は人間界に降りていた事になる。
『その悪魔と血が繋がっていると言うのか? 悪魔の血を引いているからずっと長く生きていると? だからお前は人間じゃないと?』
俺は立て続けにそう質問したが、メルシアは先程までの様子と違って困ったような微笑みを浮かべて言った。
『あなたが人間じゃない理由を教えてくれたら、私も教えてあげる――』
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