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そしてレイが産まれてから5年。
俺はメルシアへの気持ちを半ば忘れたように過ごした。それでもメルシアとは普通に接していたし、ヨウとの仲も関係のいい付き合いをしていたと思う。ヨウはメルシアにとって最高の伴侶だとも思う。
そして、あいつは覚えていないだろうが、幼いレイにも何度か会った。
2人と1人の少女は順風満帆な生活を送っていた。
あの――事故が起きなければ。
その時俺はヨウとは別の場所にいたが、外庭でメルシアが倒れていると城の使用人に聞かされ、途中でヨウと合流し、外庭へ向かった。
最初に見た外庭での様子は誰かが倒れており、近くに小さな少女が立っていた。その光景を見るなりヨウの足は止まったが、俺は側まで近寄った。
悲惨な光景だった。
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