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葬儀はしめやかに行われ、国民の間では女王は“不慮の事故”で亡くなった、という事になった。
なぜなら本当に何が起きたのか、全く解らなかったのだ。知っているはずのレイがどこにいるのかも。
俺は、落ち込むヨウを無理矢理ネイビスの国王に立ち上げ、ネイビス国の均衡を保とうとした。
それからレイの居所を捜した。まだ幼いレイが遠くへ行けるはずが無い。ネイビス国の近くを捜したが、全くとして行方が解らなかった。
メルシアとレイとの間に何が起きたのか。
なぜメルシアはあんなにも惨い死に至ったのか。
事実を知っているのはレイしかいない。
しかし、結局レイを見つける事が出来ず、10数年が経った。
居所が解ったのはそれから間もなく。人間界にたまに来るようになった悪魔が西の海岸付近から強力な魔力を感じ取ったと言ったのだ。
それは普通の魔力と異なっていた。
“死の扉”が――開かれた。
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