第2章

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 街から城までを繋ぐ細道の先は、目では測りきれないほどの広大な大地が広がり、周りは円を描くようにして落葉樹が覆う。  その広大な大地を占領するのが、乳白色のこれまた大きな古城。  しかし古くはあるが、城と呼ぶにはその外観はあまりにもシンプルだ。  積木を二段重ねしただけのように横に長い建物。至る所に両開きの窓を確認できるが、それも相俟って何かの研究所、もしくは施設にしか見えない。  そんな研究所や施設にしか見えない建物でも、一応城なので周りは2メートルほどの高さの柵に囲まれていた。  外敵から護るにしてもほぼ役割を果たしていないのでは、という疑問は黙殺されている。  正面には扇型の門があり、門番である2人の守衛が気怠そうな顔で見張りをしている。  その気怠そうな顔も、レイの姿を確認すればたちまち真面目な顔つきに変わった。  レイは、王女として最高身分の位置に属するわけだが、守衛達の変化はその事があってというわけでは無いだろう。
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