第2章

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 守衛がレイの元まで駆け付けると、レイのその出で立ちに大層驚いたような顔をさせ、しかしすぐに疑わしげな目をして口を開く。 「レイ様? なぜあなたが外から?」 「そんな事はいいよ。ここから結構離れた場所に賊がいるから捕えてくれ。それと、その途中に男の屍もあるから……処置を頼む」  2人の守衛は顔を見合わせ戸惑いの色を見せるが、反応に対しての返答はこうだ。 「しかしレイ様……今までどこへ?」 「おやすみー……」  追求から逃れるためと疲れが押し寄せていたため、レイは意識と自分の身体を手放した。  夢の中で身体が揺れているような感覚があったので、どうやら上手く部屋まで運んで貰えたようだ。  次に目が覚めれば案の定、自分の部屋にいた。  首を動かして見慣れた風景を確かめる。  その時に目に入ったのが、窓の棚に置かれた“カラクネコサ”という花。
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