屋上

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今、私は学校の屋上に一人で立っている。 「私…佐賀蒼依は…今日…この世界から旅立ちます…」 彼女はそう言ってゆっくりと歩いて行き、高い段の上まで来た。 後、一歩踏み出してしまえば、落ちそうなところまで。 「お父さん…お母さん…今までありがとぅ…グスッ…」 目を閉じ、泣きながら、最後の一歩を踏み出した。 終わった。何もかも。やっと苦しみから 解放される。そう思った。 だが、死んだはずなのに どこも痛くない。 そんな はずがない! あんなに高い所から飛び降りたのに…。 私は恐る恐る目を開いた。 目の前には、いつもと変わらない風景があった。 死んでいない。私は死んでいない!少しホッとした自分がいた。
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