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「ヒ…メ…」
間違いなくヒメだ。
2つくくりで、ピンク色のリボンで結っている。
顔はうつぶせになっていて見えない。
でも、あれはヒメだ。
「…嘘でしょ!?」
森川さんたちを責めるより、先にヒメのところへ向かった。
私はヒメの命が助かっていることだけ願った。
ヒメにはいじめられてきたが、それでも助かってほしかった。
「ヒメ!!ヒメ!!大丈夫!?」
私はヒメに駆け寄り、体を揺すった。
「ヒメ!!返事して!!」
何度も名前を呼んだ。
だが、返事はない。
「佐賀さんさぁ、そいつにいじめられていたし、丁度良いじゃん。死んじゃっても」
屋上から声がした。
「…先生呼んで来て!!」
屋上にいる森川さんたちに言った。
「はぁ?何でよ。私たちが先生に言ったらヒメを落としたってバレるじゃない!!」
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