三組の魔女

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都立識嶌南小学校。 何の変哲もない小学校だけど、やっぱり【魔女】がいる。 怪談の現実化は例に洩れず、ここでも猛威を奮っていた。 「まおちゃん!後ろから水の鞭がくるよ!」 淡く光る電磁を帯びた球体を持ってややねが言う。 球体には文字の羅列が走ってるだけにしか見えないが、彼女には見えない敵などの正確な位置に見えるのだ。 「判ってるわよ!私の鉄壁は何でも防ぐ!」 まおの周りに浮く十個の【鉄壁】が回転し不定形で透明な盾が現れた。 彼女は自信が続く限りどんな攻撃も防ぎきる。 まおの鉄壁が水の鞭を完全ガード。 「私の鉄壁に防げないものはないのよ!」 『くそぉ…』 水の鞭の向こうから現れたのは、びしょびしょの、スクール水着姿の女の子。 怪談【学校のプールで亡くなった女の子の幽霊】 他の子たちをプールに引きずり込んで溺れさせるという。 初めは足を引っ張る程度だったが徐々にエスカレートしていき、先日、一人死にかけた。 こうなると【魔女】の出番だった。 一応会話が出来る怪談だったのでなんとか交渉しようとしているのだが、水を使っての攻撃が非常に厄介だった。 三組の攻撃担当と交渉担当がなかなか現れず苦戦していた。
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