レポート3

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「捜査資料より、君の伯母さんに興味が湧いてきたよ」と、ウィルが口端を引き上げて言う。 リクトも同感だった。 姪に捜査資料を流す伯母の性格がきにかかる。  「それはノーコメントで。ばれるとヤバイですから。えっと、資料によると、容疑者は睡眠薬を服用しているんですけれど、容疑者自身は飲んだ覚えはないと主張しています」 「まあ、誰かが見ていたわけでなし、なんとでも言える」 「はい、ログンさんのいうとおりです。でも、この場合、問題点は誰かに薬を盛られた可能性だと思います」すぴーるの大きな瞳に理知的な灯火がともる。 「それはつまり、鍵を持っていた人物と鍵を開けられる人物も怪しいってこと?」 139号が顎に手をあて、思案しながら言った。 「そうです」 「切りがなくなりますね」 リクトの発言は本人の予想以上の効果をあげる。 「確かに。条件が曖昧で結論を出せないね。今日はこのぐらいにして、明日議論しなおそう」 ヤシンジの一声で、晩餐は終了した。 「なんか消化不良」 部屋に戻ったりるはベッドに腰かけ、リクトに向かって、ちらりと舌を見せた。 「そうだな」 リクトはそつなく無視する。 「え!」 頓狂な声をあげ、りるはリクトをじっと見つめる。 「なんだ?」 「にいさんが、こうゆう事件に興味をもつの、珍しいなーって」 リクトは肩を竦めた。りるの言うとおり、リクトはこういった事件が好きでわない。 そう、いわゆる密室殺人は。 「で? どうして興味を持ったの?」 りるはベッドの上でうつ伏せになり、両手で顔を包むようにして頭を支えた。 長い黒髪がさらりとゆれ、少しばかりリクトを動揺させる。 「ネタになりそうなんでな」 「裁判中だよ? 作品にするのは不味いんじゃない?」 「分からないように書くさ」 リクトはベッドに横たわった。 「先にシャワー浴びちゃって良い?」 「ああ、僕は少し眠るよ」
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