レポート4

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(恥ずかしがってるすぴーるさんも可愛いな……) リクトがそう思った瞬間、ぐわしっと、頭に異様な圧力を加えられた。 「に・い・さ・ん?」 「……はい?」 頭に置かれた手の圧力に耐えられず、リクトは無理矢理顔のむきを変えられた。 「今、誰かさんに見とれてなかった?」 (鋭いな……)リクトはあくまで平静を装いながら誤魔化す。 「べつに」 「そう?」 疑わしげに目を細めるりる。 リクトは正直肝が冷える思いである。そもそも、リクトとりるは恋人同士ではないのだから、リクトが後ろ暗く思う理由はないのだが、そこまではリクトも思い至らなかった。 「私は部屋に引き上げます」 ウィルがすっと立ち上がる。 「一人になるのは危険ですよ?」 控えめに139号が止めた。 「もし犯人がいるのなら、どこに何人でいても、危険は変わりませんよ」 ウィルはどことなく寂しそうな微笑を、少しばかりやつれた顔に刻んだ。
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