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内装は他の部屋と変わりない。
二つのベッドの間で壁にもたれかかった斎藤が、虚ろな瞳を虚空にすえている。
斎藤の腹部には、ナイフが突き刺さり、どす黒い血液が服と絨毯を汚していた。
「ちゃんと見た?」
139号が神妙な面持ちで死体を睨んでいる。
「ええ、まあ……」
リクトが曖昧に頷くと、139号は注意深く部屋に侵入した。
一歩一歩を踏みしめて、慎重に死体へ近ずく。
服に血がつかないように注意しながらしゃがみ、左手を斎藤の首すじにおしあてる。
「死んでる……わね」
死体の首すじに触れながらも、139号は眉ひとつ動かさない。
だが、反比例してログン、すぴーる、ウィルの顔に青味がさす。
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