レポート5

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そもそも何故、館の関係者だけ殺して客人を殺さない?  自分には殺される覚えなんてないし、自分以外の客人にも殺される理由があるようには見えなかった。 なら、犯人は客には手を出さないのではないだろうか?  それとも……。 すぴーるは自身の考えに戦慄した。犯人は誰でもいいから殺したかっただけで、殺し安い人から殺しているだけかもしれない。 りるは表情を青くしているのに、どうゆうわけか、心の奥底に奇妙な安心感を抱いていた。 リクトの人間離れした飢えた目つきを見ていると、何故か安心出来るのだ。 リクトがあの目をしている時は全力で思考している時である。 だから、この事件の犯人は絶対に捕まる。 りるは確信していた。 リクトの思考力は暴れ馬よりたちが悪く、普段から主人の意思に反して、どこまでも遠く高くに駆け上がる機会を伺っている。 その貪欲な思考力はリクトに多大な疲労をしいてきた。 だから、手綱を強く引いて抑えつけなくては身がもたない。 だが、今は余裕がないのだ。リクトは手綱を弛めた。 鼻息荒く思考力が一気に加速していく。 さあ、犯人は誰だ?
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