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そもそも何故、館の関係者だけ殺して客人を殺さない?
自分には殺される覚えなんてないし、自分以外の客人にも殺される理由があるようには見えなかった。
なら、犯人は客には手を出さないのではないだろうか?
それとも……。
すぴーるは自身の考えに戦慄した。犯人は誰でもいいから殺したかっただけで、殺し安い人から殺しているだけかもしれない。
りるは表情を青くしているのに、どうゆうわけか、心の奥底に奇妙な安心感を抱いていた。
リクトの人間離れした飢えた目つきを見ていると、何故か安心出来るのだ。
リクトがあの目をしている時は全力で思考している時である。
だから、この事件の犯人は絶対に捕まる。
りるは確信していた。
リクトの思考力は暴れ馬よりたちが悪く、普段から主人の意思に反して、どこまでも遠く高くに駆け上がる機会を伺っている。
その貪欲な思考力はリクトに多大な疲労をしいてきた。
だから、手綱を強く引いて抑えつけなくては身がもたない。
だが、今は余裕がないのだ。リクトは手綱を弛めた。
鼻息荒く思考力が一気に加速していく。
さあ、犯人は誰だ?
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