†Days 1†

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            しん、と静まり返る教室。   相変わらず、外からは楽しそうな談笑が聞こえてくる。                                   「……別れて、やる」       不意に。 重い溜め息と共に吐き出された、言葉。   胸が、ずきんと痛んだ。     これで、終わる。   長い間想い続けたこの気持ちにも。 楽しかった、この想い出も。       今日で、最後。     そう思うと、心にぽっかり穴が空いたかの様で。   ぐっ、と拳を握り締めて、           唇を強く、噛み締めた。                                   「…ただし」   「…、え……っわ?!」         刹那。 ぐるん、と視界が回転して。     目の前には、怒りと哀しさを宿した冷酷な、湊の顔。   机に組み敷かれている、と気付いたのはそのすぐ直後。         「…っな…」   「俺の目を見て、“湊なんか嫌いだ”と…そう、言え」   「…!?」   「“顔も見たくない位大嫌いだ”と…“だから別れてくれ”……そう言えたなら、別れてやるよ」   「…、んなの…っ」           言える訳が、無いじゃないか。   くしゃり、とオレの表情が歪んだのを確認した湊は、短い溜息をついた後、       オレの脳天に、拳を振り落とした。   痛みから声も出せずにもがいていると、     今度は、ふわりと。 長く優しいその腕で、オレの身体を包んだ。         「…嫌いになったんじゃないなら、別れるだなんて言うんじゃねぇよ」   「……みな、と」   「いいか、新…俺は、遊びなんかで男と付き合うなんざ有り得ねぇ。ましてや…こんな自分勝手で我が儘なガキなんて、特に、な」   「………、でも」   「でも、もクソもねぇ!この先だって、テメェが俺から逃げようものならいくらでも追い掛けて、捕まえてやる」   「…湊」   「離してなんかやらねぇよ…愛してる、新」         甘い言葉を耳元で囁かれ。   オレは、とうとう我慢出来ずに、大粒の涙を頬に落とした。         「っ、れも…オレ、も…っ、離れ、たくねぇ…っ!」   「…なら離れなきゃ良い。ずっと側にいろ」   「、んぅ」       ふわりと笑った湊はオレの唇にキスをして、また愛してると呟いた。          image=237599372.jpg
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