君は王女 僕は召使

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今日は俺の処刑の日 断頭台に登ると空が見える 『空綺麗だね』 『はい、広いですね』 『レンみたい!』 『あなたはまた変なことを』 「―――――…ン!」 微かに聞こえた声 前を向けばフードを被って 涙を浮かべるリン 俺の名前を呼ぶ その手に握られたのは手紙が入った小さな瓶 『願いがかなうおまじないです』 海で瓶を流したとき、 俺がそう言えばリンは笑ったね 理由を聞いたら 『私の願いはレンがかなえてくれるから』 それがどんなに嬉しかったか リン、     鐘が、 俺の願いは     鳴る 君が、     終わりを告げる鐘が ずっと笑ってること ゴーン       ゴーン―… 「あら、おやつの時間だわ」 世界のどこかで、ずっと 「レンーっ!!!」 もしも生まれ変われるなら また双子がいいな そして ずっと遊んで 笑っていよう 今度は 2人で    
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