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「おはよう。式。僕のこと覚えてる?」
ああ、知っていた。
お前だけがずっと私を待っていてくれたこと
お前だけがずっと私を守ってくれていた
「……黒桐幹也…フランスの詩人みたいだ」
「はは。晴れてよかった。絶好の退院日和だ。」
「黒桐、顔が冴えないな。俺が退院する事がうれしくないのか?」
「うれしくもあるし、かなしくもある…かな」
なんだこいつ…
すると黒桐はバッグから大きなアルバムを取り出した。
「なんだそれ?」
「これはね、二年間分の式の顔だよ。」
そういって黒桐はうれしそうにアルバムを開いた。
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