雪の降る日に…

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私が生まれ育った土地の雪はサラサラだった。 雪がコンコンと降りしきる日に傘をさして歩いていると後ろ指を指された …雪が頬に触れても溶け出すには時間がかかるし水気がないから紙吹雪を空からひたすらにばら撒いている様なもの。 傘をさしていると歩きにくいし、傘に雪が積もるしで最悪だった。 雪の登校日に傘をさしていることはとても恥ずかしいことで… 無知な事だった。 お洒落なBarのカウンター席でヤクルトを頼んじゃう様な。 花壇のチューリップをひたすら抜いて雑草は抜かないみたいな。 ウコンの力を飲み会の後にがぶ飲みするような。 そんなものだった。 でも今私が住んでいる土地の雪はどうにもこうにも水分が多くて傘をささないと外を歩けない。 みぞれに近い雪を頬で受け止めるとファンデーションもマスカラも落ちてしまう。 こんな事って許されるの? と思ってテレビのイシハラヨシズミに向かって怒鳴ったことがある。 あぁ私としたことが… 感情的になるなって子供のころから言い聞かせているのに… でもそれくらい私の故郷の雪と今住んでいる土地の雪は違っていた。 月とすっぽん? いや、それは違うな。 私ももう大人なのだから気の利いた比喩でも言えたらイイのだけれども。 雪道を歩くときひたすらに体重を前方に持っていく。 後ろに体重を掛けると転びますねん。 私が言える気の利いた(?)アドバイスはこれくらいだ。 本当に私は言葉を知らない。 人と話していて咄嗟の判断も出来ない、言葉も出ない。 赤面して俯いてどもってしまう。 ひどい時はパニックになって気絶してしまう。 精神病院に行った方がいいかな~? と、精神病の彼氏を持つ私は思う。
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