155人が本棚に入れています
本棚に追加
「いただきま~す♪」
「いただきます。」
「ぷぷぷぷ、ぷ。」
食事の最中だが、すずも美咲も、あることが気になっているらしい。
まず、行人がこの場にいないこと…
なにか用事があるなら、仕方がないが、さすがに寂しいらしい。
次に、行人とからあげが、なにをしようとしているか……
そして、一番心配していること、それは……
行人がいなくても、バランスを取れるかどうかである。
いままで、行人が美咲を藍蘭島に連れて、帰って来てから、一度もこんなことはなかったからである。
「ねぇ、美咲ちゃん。」
最初に切り出したのは、すずだった。
「…………あ、はい!?なんですか?」
「私の料理、美味しい?」
おいおい、切り出す話じゃないぞ。
「はい……美味しいです。ただ………」
「ただ?」
「私の口には、合わないっていうか、何と言うか………」
ガーン!
すずは、今まで感じたことのない(?)、屈辱を味わった。
「ごめんね……。口に合わなくて………。」
美咲は、すずの暗い表情を見て、自分が言ってしまった事に、いまさらながら、後悔した。
「あ!えっと、美味しいですよ。でも、私がまだ慣れてないっていうか……」
すずの表情が、段々悲しい表情に変わっていく。
こうして、暗い暗い、朝食の時間が終わってしまった………
最初のコメントを投稿しよう!