不穏な影

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「柳、星(花火の材料)取ってくれ。」 烈火が柳に話しかける。 「はい、どうぞ。」 柳が烈火に星を渡す。 「ありがとう!」 烈火は花火を作っていた。それを手伝う柳。 天堂地獄を破壊してから3年が過ぎた。 烈火は高校卒業後、花火職人になるべく、父・茂男の厳し~い修行をこなしていた。 「よし、できた!!!」 花火の完成に満面の笑みを浮かべる烈火。 「わー、すごいすごーい!!」 これまた満面の笑みの柳。 「あ、なぁ柳、大学の夏休みっていつまでだっけか?」 烈火が何か思い出したように柳に尋ねる。 「9月いっぱいは休みだよ。」 柳は高校卒業後、幼稚園の先生を目指して大学に通っている。もちろん絵本の修行のほうも抜かりはない。 「そっか、じゃあまだまだ時間はあるな!」 烈火は安心したように言った。 「へ?時間ってなんの?」 柳は不思議そうに烈火に尋ねる。 「へへっ、秘密!!!」 烈火はうれしそうに笑いながら言った。 「えー、気になる!教えてよ烈火ぁ!」 柳が聞き出そうとするが烈火は一向に口を割らない。 クシャクシャ 柳がちょっとムスッとしたところで、烈火は柳の頭を撫でて、 「そうムスッとするなって!楽しみに待ってろよな!」 満面の笑みで柳にそう言った。 柳も納得したのか、微笑んでうなずく。 そのとき、 『おぎゃぁああ、おぎゃぁああ』 家の方から赤ちゃんの声が聞こえてきた。 「はぁ…、親父のやつまた薫を泣かせたな。ったく、しょうがねぇ親父だな!行こうぜ柳!」 「うん!」 烈火と柳は慌てて工房を飛び出して、家に向かった。
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