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「おかえり母ちゃん。」
「ただいま、烈火。」
「お邪魔してます陽炎さん。」
「あら柳ちゃん、いらっしゃい。もう大学は夏休みに入ったの?」
「はい、ちょうど今日からなんです。」
「あらそうなの。じゃあゆっくりしていってね。今からお昼ご飯作るから食べてって。」
「あ、私手伝います!」
「ほんとに?じゃあお願いするわ。」
「はい。」
仲睦まじい会話。すでに親子のような関係の陽炎と柳であった。
それをうれしそうに見ている烈火。
(本当に、無事で良かった。)
天堂地獄との壮絶な戦いの中で、生死の境をさまよった柳が今こうして元気に過ごしていることを何よりも嬉しく思っている烈火であった。
ガンッ
誰かに殴られた。まぁ一人しかいないけど。
「いってぇな!!何すんだクソ親父!!!」
ガンッ
2発目。
「親に向かってなんだその口の聞き方は!?このバカ息子が!!!それよりもお前…」
いつになく真剣な顔になる茂男。
「なんだよ?」
烈火は気圧されながらも聞き返した。
「……柳ちゃんとはどこまで行ったんだ?」
「は?…………はぁ!?なな、な、何をいきなり言ってんだこのバカ親父!!!」
烈火ゆでだこ状態。
「バカたれが!!!お前ももう19だろうが!!!×××の一回や二回したんだろうな!?!?」
「だぁーーー!!!!!!声がデカい!!!!!柳に聞こえるだろうが!!!!!!」
茂男の口をふさぐ烈火。自分の方が遥かにデカい声を出しているのだが、動揺しまっくっている烈火にそんなことに気づく余裕はあるはずもなかった。
「このエロ親父!マジメな顔して何言うのかと思ったら、いきなりアホなこと口走りやがって!!!」
烈火の怒りの炎は燃え上がる。
「もご、もご、ぷっはぁー!!!ハァ、ハァ、殺す気かこのバカ息子!!!オレはお前を心配して言ってるんだよ!!!お前みたいな甲斐性なしはいずれ愛想つかされかねねぇからな!!!」
「だまれクソ親子!!!オレにはオレのペースがあんだよ!!!ほっとけ!!!」
なんとも、まぁアホな会話である。
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