不穏な影

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睨み合う花菱親子。 「2人共~、ご飯出来たわよ~。」 陽炎の声が廊下に響いた。 「…ふぅ。まぁいい。柳ちゃんのことは大切にしてるみてぇだしな。いいか烈火。お前がずっと柳ちゃんを守ってやるんだぞ。」 「あぁ、わかってる。」 烈火の強い意志を感じとったのか、茂男はそれ以上のことは何も言わなかった。 「よーし!!!!!!飯にするかぁ!!!!!!」 茂男の声が家中に響きわたる。 「あっ!そんな大声出したら」 『おぎゃぁああ!!!おぎゃぁああ!!!』 「はぁ……、やっぱり。」 頭に手をやりうつむきながら呆れる烈火。 「や、やっちまった…」 青ざめる茂男。 ダッダッダッダ 廊下を駆け抜け階段を駆け上がっていく陽炎。 陽炎が抱き抱えると、薫はすぐに泣き止んみ、スヤスヤと眠った。 「ふふっ、さすがお母さんだね。」 陽炎を追い掛けてきた柳が烈火に言う。 「あぁ、母ちゃんにはかなわねぇよ。なぁ親父?」 「ん?そうだな。」 幸せな花菱家であった。
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