終わり無き物語

サミレ 一章

サミレは着替えを済まし、家族が朝食の準備をしている一階の居間に降りてきた。

「う……ん…、ふぁ～。お早。」
あくびと伸びを同時に行いながらサミレは言った。

食卓には輪切りにされたパンと、ロキオチーズ、ミルク、それから色鮮やかなサラダが人数分置かれていた。

サミレがパンにロキオチーズを塗っていると、父親のファロが言った。
「そう言えば、さっきチャム君が来てたよ。先に森に行って待ってるらしいから、サミレもそれ食べたら行ってやりな！」

「うん、分かった。」
サミレは急ぐことなくいつものペースで朝食を済ませた。

食べ終えた食器を片付け、行ってきますと一言いい、サミレは家を出た。