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横から楽譜を覗いてみる。
「あ、これ私も昔やったよー」
教科書こそ違うものの、悠斗くんが練習していた曲は私が小学生の頃に習ったものと同じ曲だった。
「えっ!まじで?じゃあ明美これ吹けんの!?」
悠斗くんが珍しく私の言葉に反応する。
「うん、リコーダー得意だったし楽譜見れば吹けると思うよー」
私はウキウキして話す。
そんな私に悠斗くんは
「じゃあちょっと吹いてみてよ。俺苦手なんだよね、リコーダー」
目の前に差し出された悠斗くんの手には、1本のリコーダー。
吹けと。
これを。
悠斗くんが吹いていたこのリコーダーを。
私に吹けと。
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