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つぶらな瞳からちょっと視線を上げてみれば、似合いすぎているツインテール。
夜桜が一度結び方を教えたら、その後自分で結べるようになったらしい。器用なコだ。
「おにいもおんぶしてーです」
地球に生まれたことに感謝した。
オレの背中に飛び乗ってキャッキャッとはしゃいでいる幼女がオレ達とどんな関係があるかというと……まあオレは直接は関係ないわけだがな。
絢都夜家という、代々夜桜神社を守ってきた家系があるのだが……芽依ちゃん含む十五夜家はその分家だ。
ああ、絢都夜ってのは夜桜の苗字で、このポニーテールの本名は絢都夜桜(あやとよさくら)。正しく言うと絢都夜、桜、だ。名前は可愛いが性格は可愛くない。
まあ簡単に言ってしまえば、芽依ちゃんは夜桜の従妹にあたるわけだ。そして――
「オレの……嫁でもある……」
「おにい?どうしたのー?です」
オレのアプローチも、さすがに五歳児には分からなかったらしい。
「しゅろー、ちょっと思ったんだけど」
文字通りおんぶに抱っこな芽依ちゃんの頭をなでなでしていると、夜桜が腰に手をあてながら俺と向かい合い、訊いてきた。なんだ?やんのかオラ。
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