鳴くなと言ってもトキは鳴く

トキ、始まりのトキ

基本ルーズなオレだが、毎朝ニュースだけは欠かさずチェックしている。どうだ、偉いだろう。

今日たまたま選んだチャンネルのニュースキャスターは美人であった。
オレが幼女以外に唯一認める人種。それは綺麗なお姉さんである。

『少子化が進む中、今年度の星屑町は新小学一年生の比率が高くなっており……』

うほっ、そそるニュースだぜ。ソファーに腰掛け、ボリュームを上げる。

『……子供の入学記念に神社を訪れる親も増え、干将神社は参拝客で賑わっています』

トーストの耳をかじりながら、お姉さんの胸を見る。なんだ、結局神社に関してのニュースだったのかよ。

――にしても、最近は神社と言わせれば干将神社とやらが出てくるばかりで、星屑町にあるもう一つの神社の名前なんざちっとも出てこない。
大丈夫かね、アイツは……。

と、ピンポーン、とインターホンが鳴った。噂をすればなんとやらだな。

「おーいしゅろー、おーきてるかー？」

インターホンで話せるはずなのに、あの馬鹿アマは我が家の扉に向かって喚いていた。