トキ、始まりのトキ

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黙って座っていれば言い寄る男なんて星の数ほど居るだろう。オレは嫌いだが。 服を手に取る。お出かけ用は着なかった。刺激的なデザインはあの子達に悪いだろう。 しかしながら、夜桜は性格に難あり。口こそ悪いが気立ては良く、わざわざオレを迎えに来るあたり友達思いでもある。 ここまでなら何の問題も無かろう。だがしかーし、自分で言った通り、ヤツは女の子にしか興味がない。女の子なのに、だ。 さーて、お着替え完了。オレはタッパが無いから、小学生サイズの服でも着れるぜ。階段を軽やかに下りる。 はてさて、玄関で待たせていたはずだが、何故に夜桜はリビングでふんぞり返っている? 「あっ、この小学生アイドル雑誌新刊出たんだ。借りてこ」 「待て待て待て待て!」 それはオレが昨日晩飯を抜いてまで買ってきたユイちゃんだ! 「いいじゃん、ケチケチすんなって」 「そんだけ見たけりゃ自分で買え!それはオレの今晩のオカズだ!」 「うっわー不潔ー。ねえユイちゃん、私のオカズになったほうがいいよねー?」 オレを一瞥してから雑誌に語りかけるレズビアン。
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