ノスタルジア

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「……なんなんだ、アイツは」 トオルは、脱力したかのように桜の下に座り込んだ。 「相変わらず、色々と変わったお友達が多いようで」 中学時代から、トオルの周りに集まる人は、本当に雑多だ。 雑多で、おせっかいで、さばさばしている人がやたらと多いように思う。 「うっさいなぁ」 トオルは私の腕を掴んで引っ張った。バランスを崩して、私まで地面に座り込む。 まぁ、ジーンズだから別にいいけどさ。 トオルは、くしゃり、と私の髪を撫でた。 「なんで、いつでもお前に告白しようと思うとうまく行かないんだろうな」 「……え?」 思いがけない言葉に、私は首を捻る。
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