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「そういえば、西村君は?」
西村は二階堂が嫌がるからとか何とか言って1人で調査中だ。
私が警部に伝えると、彼は顔をしかめた。
「ったく…二階堂君並みに自由な人間だな。」
「はは、探偵にはそういう人しかいないのでは?」
それが聞こえてたのか、二階堂が目を細めて此方を睨んできた。
おっと、ちょっと怖かった。
「たらたら話してないで、早く容疑者しぼってくださいよ。」
……まぁ、いいとしよう。
ちょっとイラッときたが、今はそれどころじゃないからな。
……………
私は今日で死ぬかもしれない…このパーティーに呼ばれた人物を全員調べるには思わぬ体力を使った…
「さて、一通り探してみたが…」
警部が困り果てていた。
「最初の予想殺人時刻と比べてアリバイのない人間が多すぎる。」
「さっさと殺して逃げちゃったんじゃないですか?」
神永がケータイをいじりながら聞いた。
警部は残念そうに首をふる。
「それはない。
黒羽さんが殺害されたときに逃げるならともかく、犯人は千早さんも襲ってる。黒羽さんが発見されたときから屋敷から出れないようにしてるし、犯人がまだ中にいることは確かだろう。」
「ふーん。」
つまらなさそうに神永が応えた。
「で、これが容疑者のリストだ。これからどうする?二階堂君。」
二階堂は東野警部からリストを取り上げ、適当に眺めた。
その後、リストを警部に手渡し、あの悪魔の笑顔を見せた。
「では、頑張って下さいな?」
「…………へ?」
警部が固まっている。
「一人一人、話を聞いてきてください。事情聴取です。」
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