事件簿7⃣…誕生会連続襲撃事件

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二階堂はそこのくまの人形を触りながら答えた。 「おそらく、千早さんのお母さん…校倉紅葉さんの部屋だったんでしょう。」 校倉紅葉……? 私はここへ来たとき、神永が言っていたことを思い出していた。 西村が解いた、校倉家婦人殺人事件…… 「彼女は…確か殺されたはずだろ?確か…専属の執事に……」 「はい、千早さんはきっと、紅葉さんが殺された後からこの部屋からあちらに移ったのです。 ここは子供用の部屋みたいですし、大人になった彼女にとっては窮屈だったのでしょう。 ……それに……」 二階堂が言いたげなことがなんとなくわかった。 突然いなくなった母親 残ったものは遺産と部屋 部屋の中にある、微かな面影を、彼女は欲しがったのだろう。 私は、その部屋の中を振り返っていた。 母親が使っていた 大事な部屋 ベッドも、棚も、カーテンも 何も変えずに、面影を残していることだろう… 「………ん?」 私はその時、あることに気がついた。 「ベッドも…棚も…カーテンも……彼女は母親の面影を残すために、変えていないんだろう…… ………だったら……!」 私は二階堂の顔を見た。 彼は相変わらず楽しげな顔をして、くまから手を離した。 「…そう、千早さんは、母親の面影を部屋に残すため、ベッド、棚、カーテン…その他にも、 そこにある雑貨や置物だって、そのままにしてあるはずです。」 「つまり、犯人がタンスの中に灰皿があることを知ってたのは……」 私は思い切り叫ぼうとしたが、二階堂がそれを遮った。
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